身体拘束ZEROを達成
介護保険施設において、身体拘束は原則として禁止されていますが、実際は多くの医療・介護現場で、事故防止対策としてやむを得ず身体拘束を実施している現状があります。
当院でもかつては身体拘束を行う事例がありましたが、理念である「あなたらしくいられるために」必要なケアはどのようなものかを多職種で考え、話し合いながら日々のケアを行ってきました。
ご本人、ご家族がどのように考えているのか、今後どうしたいのか等も含めて多角的にとらえ、拘束をしなくても安全に生活できるように検討と実践を重ねました。
そしてついに2023年8月、病院全体で身体拘束ZEROを達成することができました。その後も毎日試行錯誤しながら多職種で取り組み、今日まで身体拘束ZEROを更新しています。
常にご本人の立場でケアを行う
拘束ZEROの達成で感じたのは、拘束をしなくなった方の表情が「その人らしくなった」ということです。
手足を縛られないということは、心もほどけているということ。
私たちは、身体拘束適正化に関する院内外の研修、全職員を対象にした拘束体験研修などを行っています。
また、ご本人の尊厳を守り安心して過ごしていただくために「認知症ケア」の考え方を大切にしています。
身体拘束ZEROの実践は、ご本人の気持ちを想像することから始まります。
私たちは、「あなたらしくいられるために」、その人の立場で、人権を保障したケアを第一に、高齢者の自立支援に向けたサービスの提供を行います。